2016年6月13日月曜日

TERRAIN VAGUE(テラン・ヴァーグ)vol.35 植物・空間・音楽 ポストクラシカルをめぐって

TERRAIN VAGUE(テラン・ヴァーグ)vol.35

テーマ:植物・空間・音楽 ポストクラシカルをめぐって
日時:2016年6月24日(金) 19時から21時
出演:岡村豊彦
場所:東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会本館三階33-2号室 温室
地図 ※会場はイベント当日以外は一般に開放していませんので、ご注意ください。
料金:1500円 ※今回の選曲をまとめたCD-R付き
お問い合わせ:こちらのフォームからお問い合わせください。
         フォームの「本文」に「TERRAIN VAGUE(テラン・ヴァーグ) vol.35参加希望」
           とご記入ください。

TERRAIN VAGUEもはや35回目。

岡村豊彦さんとはイシス編集学校というところで知り合いました。お勤めの会社が近いということもあって、よく"TERRAIN VAGUE"や「緑陰幻想詞華集(アンソロジー)」に来てくださっていました。最初の企画は以下の岡村さんからの文面にもある通り「女性シンガーソングライター入門」で、岡村さんのお昼休みに神保町でランチをしながら話を伺いました。IT関係でプログラマーとして働きつつ、もともと小説家になりたかったという物語力で、ゲームのシナリオを書いたり、ISIS編集学校で師範を長く務める編集力で、僕たちの空間では大好きな音楽を語りたいということでした。


次の企画は第一回目にリクエストがあったという「映画音楽を聞く」。映画好きの温室一家にとっても楽しい企画で、温室でもよくかかっています。

三回目にあたる今回は温室という「空間」に合う音楽を選んでくれるそうです。岡村さんが温室という空間にどんな音楽をマッチングさせ、空間に潜むどんな記憶を呼び出してくれるのか、参加してくださる皆さんとのグルーブは生まれるのか、楽しみです。

写真は最近の「温室」。


僕がこの空間を思うのは、僕が不在の時。彼らだけの時間。植物が静かに動いていることや眠っている時。そこにはどんな音楽が…


以下、岡村さんからのメッセージです。
「温室」という都会の喧騒を離れた静かな空間をお借りしてのイベント、今回が3回目となります。 
「シンガーソングライター入門」「映画音楽を聞く」それぞれ穏やかな曲が多く選ばれたのは植物に囲まれているから、というのが大きかったです。ならば次は直接的にこの空間に調和する音楽を選んでみようと思いました。始めてみてすぐ気づいたのですが、「ポスト・クラシカル」と呼ばれるジャンルばかりとなりました。 
 ピアノなどアコースティックな楽器が室内楽的に演奏され、時としてそこにコンピューターでエディットされた音源が加わります。難解な現代音楽ではなく、お手軽なライト・クラシックではなく。確かにそういう側面もありますが、ヒーリングでもない。エレクトロニカやポスト・ロック/音響系、ミニマル・ミュージック、アンビエント(環境音楽)に近い。クラシックの周縁にあってその境界線上を行き交う周りの様々なものから生まれる音楽。その優しく穏やかなメロディーは寄せては返す波の音や木漏れ日の降り注ぐ音、雪の舞い降りる音のようであり、映画音楽を思わせます。架空の映画の、架空のサウンドトラック。
 通常のクラシックとは異なって演奏者=作曲者であることが多いです。音楽という形式で何かを表現したいというとき
 ある若者はバンドを組んでギターを歪ませ、
 ある若者はターンテーブルを2台並べ、
 ある若者は部屋の中でソフトウェアだけで曲を完成させる。
 ならば、ピアノやヴァイオリンやチェロでオーガニックな編成となることも選択肢のひとつとしておかしくはありません。
 既存の音楽の再生産ではなく、うつろいゆくものの瞬間を捉えた音楽なのだということ。そこでは完璧な技術よりも開かれた感性が重視されます。美しさそのものを表わすのではなく、美しさに対して開かれているということ。それがこの「温室」に合う音楽なのではないかと考えます。
「ポスト・クラシカル」の代表的なアーティストである Nils Frahm や Peter Broderick を中心に据えつつ、そのルーツとなった、
 環境音楽の創始者 Brian Eno
 ミニマル・ミュージックの Wim Mertensと Arvo Part
 エレクトロニカの i am robot and proud
 ポスト・ロック/音響系の Tortoise
など周辺の音楽を織り交ぜつつ、進めていきます。よろしくお願いします。

【プロフィール】
岡村豊彦(おかむら・とよひこ)
1975年東京生まれ、青森育ち。小説家を目指して上京。物語編集術に興味を持ち、松岡正剛を校長とするイシス編集学校の門を叩く。以後[破]応用コースの師範、物語講座の師範代など指導陣として経験を積む。音楽ライター、シナリオライターとしても活動中。最近ではスマホ向け物語ゲーム『NAZO』のシナリオを担当。文学・映画・音楽への造詣が深く、CDの所有量は15,000枚を超える。ロックを中心に幅広いジャンルの音楽に精通する。


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