2015年8月9日日曜日

TERRAIN VAGUE(テラン・ヴァーグ)vol.5 終了

8月5日(水)のTERRAIN VAGUE(テラン・ヴァーグ) vol.5、終了しました。


今回のテーマは「都市の空き地で読みたい夏の本」。前回vol.4の「都市の空き地で読みたい絵本」に続く「都市の空き地で読みたい」シリーズ第2弾です。


外は陽が落ちてもうだるような暑さですが、緑に囲まれ冷房が効いた部屋が実に涼しげ。


今回の参加者は少なめでしたが、その分じっくりと話をすることができました。紹介の口火を切ったのは、参加者のおひとりが持ってきてくださったシェイクスピアの一篇の詩。


君を夏の一日と比べてみようか?
だが君のほうがずっと美しく、もっと温和だ。
五月には強い風が可憐な花のつぼみを揺らすし、
夏はあまりにも短いいのちしかない。
強い日差しが暑すぎることもあれば、
金色の光も絶えず雲にさえぎられる。
美しいものはすべていつかは頽れてゆくもの、
偶発時によって、また自然の変化によって、崩れてしまう。
しかし君という夏は永久にしおれることはなく、
君の今の輝きも色褪せることはない、
君が死の影の谷を歩むとは死神も吹聴できはしない、
時間を超えた詩行の中に君が生きるならば。
 人が息づき、目が見えているかぎり、
 この詩は生きつづけ、この詩によって君も命を永らえる。

この詩にはからずも表現されているように、夏は生を謳歌する季節であると同時に死を匂わせる季節でもあります。

参加者が持ち寄ってくれた本は、小説あり、エッセイあり、マンガあり、雑誌あり、人文書ありと実に多様でしたが、そんなことをふと考えたくなるような、興味深い選書となりました。


別々の参加者が持ち寄った本に何らかの関連性があったり、本から本へと思いもよらなかった連想が働いたり、ある本をきっかけにすっかり忘れていたことを思い出したり……。ひとりの読書とはまた違った濃密な時間を過ごすことができました。

いずれ第3弾を行うことになると思いますので、お時間がある方はぜひご参加ください。

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